訪日外国人観光客の多くが訪日旅行で楽しみにしているのが食事です。
伝統的な和食はもちろんですが寿司、ラーメン、B級グルメ等、様々な食事を楽しみにしている人々が多いのですが、トラブルとなってしまう場合もあるようです。
日本の文化、お通しでなぜトラブルが?
お通しがトラブルの原因になる理由
居酒屋等でまず出てくる「お通し」はその店の実力を知ること出来たり、これまで試したことのない料理が実はとても美味しいということを知ることが出来たりと、居酒屋を楽しむ上での醍醐味の一つだと思います。 しかし、多くの訪日外国人観光客にとっては注文していないのに出て来た料理で、サービスかと思ったらしっかりお金を取られる、ということで時としてトラブルの原因になっています。
日本人において慣れない文化であるチップ
飲食店におけるルールは文化に根差したものが多いのですが、私たち日本人からすると煩わしいのがアメリカにおけるチップの習慣です。 この店はチップを払うべきなのか、どのくらいが適切なのか、チップに慣れていないと悩んでしまいますが、お店側も日本人だと見て伝票にチップの金額を予め記入しているようなケースもあります。
お通しという文化を伝え、お通しの楽しみ方を知ってもらう
チップがアメリカの雇用制度を元にした文化の一端だとすれば、お通しも同様に客を待たせず出せるおまかせの肴という文化です。 チップの文化が日常にない私たちがチップ制度に異を唱えず、ルールに従ってチップを払うのはそれがルールであるということを知っているからです。 同様に「お通し」という文化があることを訪日外国人が知っていれば文化として楽しんでもらえると思います。現状、お通しが原因のトラブルが起きるのはルール、文化であることが伝わっていないからではないでしょうか?
中国語メニューは集客に逆効果?
日本にいるのに中国語だらけ
以前、訪日中国人のために中国語メニューを充実させた飲食店が結果として客が中国人ばかりになり、元々主流だった欧米からの客足が鈍ってしまった、という前回の記事で紹介しましたが、同様の話は飲食店に限らず耳にすることが多いようです。 事例のお店では中国語メニューによって中国人観光客の集客には成功したものの、ビジネス的には太い客層を減らす結果になったわけですが、インバウンド人口の1位は中国人であり、数も圧倒的ですからビジネスとして中国人にフォーカスした戦略が功を奏するケースの方が多い場合もあるでしょう。 インバウンドについてのネガティブな報道を見ると中国人観光客の話声が大きい、うるさいといったものが多いように思いますが、日本人にとっては音量が大きいというだけで中国人同士ではごく普通の音量です。
大きな声は迷惑、ときちんと主張する
インバウンドで経済を回す、ということはこれまで以上に外国人観光客を日本に招く、という意味であり、その中には多数の中国人が含まれています。 つまり、中国人観光客を相手に商売をする、という方向に舵を切るのであれば「会話の声が大きい」という彼らの文化と付き合っていかなくてはいけません。 きちんと店内に大きな声は他の客の迷惑になるので控えて欲しい、というような掲示をするなど、彼らの文化を尊重した上でこちらの文化を伝える努力が必要になっていくのではないでしょうか。
まとめ
今回、お通しと店内での会話マナーのケースを見てみましたがいずれのケースも文化の違いが原因となっています。 訪日する外国人観光客は自国とは違う日本の文化に興味を持ち、それを楽しむためにやってくるはずです。 会話のマナー、お通し等、それぞれの背景や日本の文化的にはこうあって欲しい、ということを積極的に伝えることで彼らも日本の文化として受け入れ、楽しんでくれるのではないでしょうか?