インバウンド人口の国別1位は中国人で、2017年には約735万人が日本を訪れていますが、インバウンド全体の2869万人の4分の1という存在感を示しています。
インバウンド増によって好調な業界に化粧品業界がありますが、今回は中国人女性に人気のコスメブランドについての調査を紐解いていきましょう。
日本と韓国の化粧品ブランドを対象としたアンケート
回答期間:2018年6月28日~2018年7月9日
全体回答者数:4,112人
本調査対象者数:1,059人
アンケートとインターネット行動ログデータを組み合わせた市場調査及び事業成長支援サービスを提供する株式会社ヴァリューズは、中国本土で越境ECの利用習慣があり、かつ過去1年間に訪日経験のある中国人女性を対象に化粧品ブランドの認知や購買状況、越境ECの利用状況、美容に対する意識等についてアンケートアンケートを実施しました。
日本のあのブランドが認知度1位
1位:資生堂 90.1%
2位:雪花秀 73.4%
3位:innisfree 73.0%
4位:LANEIGE 72.8%
5位:SKⅡ 72.6%
6位:雪肌精 65.5%
7位:花王 65.5%
8位:コーセー 61.7%
9位:THE FACE SHOP 61.2%
10位:DHC 54.6%
ランキングの結果、トップ10には上記のブランドがランクインしました。 1位は資生堂が2位の雪花秀に大差をつける認知度90.1%を獲得しました。資生堂以外にはSKⅡ、雪肌精、花王、コーセー、DHCがランクインしました。
年代別でも資生堂が1位
回答者の年齢を24歳以下、25~30歳未満、30~35歳未満、35~40歳未満、40歳以上に分けた年代別のランキングを見てみると、資生堂は前年代で認知度1位となり、圧倒的な認知度が得られていることがわかりました。 年齢とブランド認知度の関係性は韓国ブランドの認知度に反映しているようで、30歳以上には高価格帯ブランドである雪花秀、30歳以下には低価格ブランドのinnisfreeがそれぞれ2位にランクインしています。 日本のブランドでは全年齢のランキングでは12位だったドクターシーラボが24歳以下だと8位にランクインしていることから、低価格ブランドが若年層で人気を集めていることが伺えます。
どのブランドがリピート率が高い?
各ブランドの購入率とリピート率についての調査も同時に行われました。 ここでも資生堂は購入率約90%、リピート率80%強と、どちらも高い数値を示しています。 資生堂に次いでリピート率が高いという結果になったのがSKⅡで、満足度の高い商品だという評価が得られていることがわかります。 その他、韓国ブランドの雪花秀、innisfreeも高い購入率、リピート率で評価の高いブランド認知を得ているようです。
まとめ
(株)ヴァリューズの調査では中国人が訪日旅行で最も多く購入するのは化粧品だという結果が出ており、今後も化粧品業界には追い風が続きそうです。 今回ランクインしたブランドのほとんどは中国国内でも正規に流通・販売されているものですが、関税の関係で訪日時に購入した方が割安ということが根強い人気の背景となっていそうです。 また、帰国後も中国国内の販売店、または越境ECというリピート購入のチャネルが存在していることから、中国本土での認知度獲得は業績に大きく貢献することになりそうです。 訪日中国人はネットでの口コミ等からあらかじめ購入する商品を決めて来日する場合がほとんどですので、事前の購入リストに入れるかどうかがプロモーション成功のカギになるでしょう。