3000万人の大台を突破したインバウンド数ですが、2020年の政府目標はインバウンド数4,000万人、訪日外国人旅行消費額8兆円となっており、更なる目標達成へ向けた施策の実施が求められています。
日本政府観光局・JNTOはビジット・ジャパン「官民連携事業」として訪日プロモーションのテーマを策定し、実施していますが、2019年度のテーマが決定されました。
2019年度のテーマは「お祭り」「鉄道」「離島」の3件
日本政府観光局(JNTO)官民が連携して実施する訪日プロモーションのテーマとして、29件の応募案件の中から「お祭り」「鉄道」「離島」の3件を2019年度の事業化アイデアとして選定しました。
今後、この3つのテーマに沿った企画競争が行われ、事業化が図られることになります。
テーマ1:日本のお祭りを活用した地方誘客プロモーション
日本は各地に特色のあるお祭りがありますが、それらをコンテンツにした着地型ツアーを造成、海外に向けた情報発信を行うと共に体験型コンテンツ予約サイトをチャネルとした連携を図り、「日本のお祭り」をテーマ に訪日需要の喚起と地方への誘客・消費拡大を狙うというプロモーションです。
テーマ2:離島への旅の魅力が中心のアイランドツーリズムプロモーション
島を観光資源とするアイランドツーリズムの愛好家は世界にも多いのですが、日本へのヘビーリピーターや島旅行愛好家がターゲットになるプロモーションです。 日本の離島への船旅を通して自然、風景、体験アクティビティ、特産品、グルメなどの魅力を発信、訪日需要の喚起を図るとともに、対象となる地方へのインバウンド誘致と消費拡大につなげます。
テーマ3:鉄道の魅力をプッシュした訪日プロモーション
鉄道ツアーに関心を持つ旅行会社の商品造成者を招請、国内の多様な鉄道を移動手段として活用しながら鉄道そのものの魅力と地域の魅力の視察や体験を通し、日本の鉄道をテーマにした旅行商品の 造成につなげ、地方へのインバウンド誘客と消費拡大を図ります。 ちなみに2018年度はキャンプの魅力発信プロモーションとナイトタイムコンテンツ情報発信プロモーションの2つが官民連携事業テーマとして選定されていました。
まとめ
いずれのテーマもインバウンドの訪問先が集中することによるオーバーツーリズムを避けつつ、地方での消費を促すという意味で期待が集まる内容ですが、季節性があるテーマがある点や地元観光資源との結びつきでどのように消費行動を起こさせるか、といった受け入れ側の体制作りが事業として成立させる上でのポイントになりそうです。 また、プロモーションはSNSの活用やインフルエンサーを通した情報の拡散、デジタルマーケティングの推進などが軸になると予想されますが、ターゲットに対して適切なメディアの選択が必須となりそうですね。