インバウンド数の増加は2020年の政府目標、4000万人の実現に手がとどきそうなところまできていますが、消費額については想定を下回っているという報道が出ています。
訪日旅行の目的として買い物は今でも上位にランクインされていますが、消費額をさらに上げていくために購買力向上に一役買うのが免税店です。
今回は免税店についての現状を確認します。
2019年、初めて5万店を突破
観光庁が国税庁の集計を基に調査したところ、2019年4月1日時点のいわゆる免税店の数は全国で5万198店、初めて5万店を突破しています。 このうち三大都市圏(東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、京都、兵庫の8都府県)にある店舗は前回調査から6.2%増の3万1157店、三大都市圏以外の店舗は5.2%増の1万9041店となり、2016年3月の「明日の日本を支える観光ビジョン」の地方部の免税店数を2万店規模に増やす、という目標にあと少しというとこまで来ています。
免税店の臨時出店の新制度がスタート
政府は地方でのインバウンド消費拡大を目指していますが、そのために免税店の拡充を推進したい構えですが、この7月1日から免税制度の新制度が始まります。 この制度は既に免税店として許可を得ている事業者がイベント等に臨時出店する場合、手続きを簡素化できるという制度で、各地域の祭り等のイベントの他、9月からのラグビーワールドカップ、来年の東京オリンピック、パラリンピックを視野に入れた改正になります。 また、20年4月には、免税販売時の手続きとして、購入記録票の旅券への貼り付けなど、従来必要だった手続きを不要にし、免税販売情報を電子化する予定となっており、外国人旅行者、免税店事業双方の利便性向上を図っています。
免税店になるためには?
かつては日本の旅行の行先と言えばいわゆるゴールデンルートに集中していましたが、訪日リピーターを中心に地方へと足を運ぶ傾向が目立ちます。 そこでインバウンド消費を最大限に享受するためには免税店として登録することが重要です。 免税店になる手続きや条件がわからない、という人も少なくありませんので、下記に整理をしておきましょう。 免税店になる条件には以下ようなものがあります。
1.国税の滞納がない
2.輸出物品に国税の滞納がない
3.非居住者が利用している、または利用見込みのある場所に販売場がある
4.免税手続きに必要な人員を配置している
5.手続きのできる設備を用意した販売場である
これらの条件を満たしている事業者があれば、国税庁や税務署へ「輸出物品販売場許可申請書」を提出することで免税店として営業することができます。 手続きの方法や書類の作り方は初めてだとわかりにくい、という印象ですが、免税書類の作成や提出などを代行してくれる業者もありますので、まず相談してみるのもいいでしょう。
まとめ
地方における免税店の増加によってインバウンドの消費が地方に落ちるようになれば、人口減による国内消費の落ち込みをカバーできる可能性があるということで、政府も力を入れています。 免税店の条件を満たしている事業者の方はぜひ申請を検討してみてください。 また、免税店化した後は販売やサービスの多言語化やインバウンド消費の傾向に合わせたサービスなどを検討することが重要になります。