SNSを用いたマーケティングやプロモーションは様々な分野で積極的に行われていますが、インバウンド集客を行う上でも重要なチャネルとなっています。
今回はアウンコンサルティング株式会社によるアンケート調査から国によるSNSの位置付け、旅行情報の収集方法について見ていきながら、SNSを活用したプロモーションのポイントを押さえていきます。
今回のアンケートの条件
対象国・地域は韓国、台湾、香港、中国、タイ、アメリカの6カ国となっており、日本旅行前の情報収集の方法についての調査となっています。 観光庁が2018年に行った調査では、日本旅行前に得た情報源で役立ったものとしてSNSがあげられていますが、今回の調査では各種SNSの中で利用頻度の高い媒体について調査が行われています。 主な質問に対する結果を見ていきましょう。
日本旅行の情報収集を目的に利用しているSNS
各国別SNS使用率
各国別SNS使用ランキング
アメリカについてはYouTubeが最も利用されており、2位がインスタグラム、という結果ですが、アジアの5カ国・地域についてはFacebookが1位、2位がYouTubeという結果が出ています。 アメリカだけが違った傾向になっていますが、中国についても気になる結果が出ています。 中国はFacebookやYouTubeは閲覧制限があり、同様の機能を持ったサービスが利用されていますが、このアンケートではFacebook、YouTubeが1位、2位に入っています。 閲覧制限を回避する方法も存在していますが、それでもFacebookが1位になる、という結果が一般的というのは違和感があります。
参考にしている投稿
参考にしている投稿の比率
参考にしている投稿ランキング
各種SNSで参考にしている投稿として、アジアの5カ国・地域が旅行会社やディアのアカウントが1位となったのに対し、アメリカについてはインフルエンサーの投稿が1位という結果が出ています。 また、インフルエンサー、有名人の投稿が上位に来ていることから、インフルエンサーを招いてSNS等に投稿してもらうことで宣伝を行うファムトリップが有効なプロモーションとして活用できそうです。 このほかにも参考にする口コミサイト、という質問では各国固有の口コミ・旅行サイトがそれぞれにランクインしていましたが、JNTO(日本政府観光局)のサイトの利用率が高く、韓国・台湾・香港・タイで10%を超えていました。
まとめ
インバウンド集客のためにSNSを活用することは依然として有効という結果と言えそうですが、国によって媒体を選ぶ必要がある他、投稿の形態を考慮しないと効果的なプロモーションとして成立しない可能性があります。 また、本文中でも指摘しましたが、中国のようにSNSへのアクセスについて制限がある国や地域に対しては現地の状況を正確に把握した上でプロモーションを行わないと誰も見ていないチャネルに対して情報を配信する、ということにもなりかねません。 SNSのトレンドの移り変わりは非常に速いということも頭に入れ、適切な媒体を活用したいものです。