インバウンドに人気の観光地といえば京都ですが、京都観光の足として市バスはとても便利です。
しかしインバウンドの急増に伴い、以前から問題視されていた混雑がさらにエスカレートしています。そこで混雑解消の切り札として期待されているのが観光地を巡る乗り降り自由な観光バスです。
乗り降り可能な観光バスが混雑を解消?
そのような慢性的な混雑解消にもつながるとして期待されているのが2019年3月からサービスが始まる乗り降り自由な2階建てバス、「スカイホップバス」です。 スカイホップバスは京阪バスが運営する屋根なし・2階建てのオープンバスで途中で乗り降りできない定期観光バスとして既に運行され、人気を集めていますが、今回は乗り降り自由な観光客向けの専用路線を設けることで観光客の利便性を向上させると共に市バスの混雑解消にも繋げていけると関係者は期待しています。 運行が計画されているのはJR京都駅を起点として二条城、北野天満宮、金閣寺、京都御苑、出町柳駅、平安神宮、八坂神社、清水道、三十三間堂等の人気の観光スポットを循環するルートです。十数カ所の停留所を新設し、30分間隔で運行する予定で初年度に約4万人の利用を目指しています。
京阪バスは2019年から観光地向けに特化
スカイホップバスを運営する京阪バスは運転手や整備士の不足等があり、市バスの受託運行事業から今年度限りで撤退する方針ですが、インバウンドを含む観光客に好評のバス車両を活用し、主要な観光地だけを結ぶ路線に特化することで独自に収益を確保しつつ、観光循環バスの運行で市バスの混雑解消を緩和することができるのでは、と京阪ホールディングスの加藤好文社長は見通しを語っています。
京都の市バスの混雑ぶりは深刻
京都市バスの1日の乗降客数は2013年度に約32万6000人だったところから2017年度は36万3000人に増加しています。 混雑が最も深刻なルートは京都駅から銀閣寺を結ぶルートで、定員70人の車両に対して最も混んでいる時には平均146人が乗車するというところから混雑の深刻さが伺えます。 市バスは観光客が利用するだけではなく、京都で暮らす市民の足として利用されている交通機関であることから、インバウンド増が市民の生活を圧迫してしまうとして地元住民からの不満も多く、これまでも通勤・通学時や夜間便を増便したり、1日乗車カードを値上げする等の対策が講じられてきました。 今回のスカイホップバスによって市民の足と観光の足の分離が上手くいくとインバウンド、地元住民双方にとって望ましい解決策ということができそうです。
まとめ
乗り降り自由な観光バス・スカイホップバスは東京エリアでサービスを開始しており、英語、中国語、韓国語での観光ガイダンスを搭載し、浅草、スカイツリー、築地、東京タワー、銀座等の都内の主要な観光地を循環してインバウンドからの好評を得ています。 今回の京都での試みはインバウンド向けの移動手段としてその他の地域でも応用が可能な事例となりそうです。