今年はラグビーワールドカップ、来年2020年には東京オリンピックを控え、さらなる増加が見込まれる訪日外国人観光客ですが、日本へ旅行といえば東京、京都、大阪、という認識はいまだ健在です。
しかし、訪日リピーターを中心に地方へと足を向けるインバウンドも増えてきているようです。
今回は旅行予約サービス「楽天トラベル」が楽天トラベルの外国語サイトを経由した人泊数をベースに作成した2018年 訪日旅行人気上昇都道府県ランキングから人気が上昇している都道府県のトップ5を紹介します。
人気上昇都道府県ランキングTOP5
第1位 鳥取県 前年同期比+189.6%
第1位の鳥取県は前年同期比で189.6%を記録していますが、昨年も3位であることから人気の訪問地になりつつあることがわかります。 鳥取県は「ゲゲゲの鬼太郎」で知られる水木しげる氏の出身地であり、また「名探偵コナン」の作者、青山剛昌氏の出身地でもあることから、県内に二つある空港も「米子鬼太郎空港」、「鳥取砂丘コナン空港」の愛称で呼ばれ、それぞれのキャラクターを活用したインバウンド誘致に取り組んでいます。
第2位 福島県 前年同期比+184.6%
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第2位の福島県は前回はランク外でしたが前年同期比184.6%で2位に入りました。 仙台空港を窓口として台湾やタイからの訪日客が増加していると見られ、会津若松・喜多方エリアが人気となっている背景にはFacebookなどのSNSを活用したプロモーションの成果があると見られています。
第3位 岩手県 前年同期比+139.4%
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前年同期比139.4%で3位に入った岩手県の好調には2018年に就航した台湾-花巻空港の定期便が大きな理由の一つです。 人気となっている安比高原スキー場は、アクセスの良さから多くのインバウンドが訪問してウインタースポーツを楽しんでいますが、多国籍スタッフを採用して多言語対応に取り組むなどの対応をおこなった結果、安比高原・八幡平・二戸エリアは前年比453.8%増と驚異的な伸びを示しています。
第4位 新潟県 前年同期比+138.1%
第4位に入ったのは新潟県で、前年同期比138.1%を記録しています。2017年に新潟-ロシア間を飛ぶチャーター便が増便し、ロシアからの訪日客が急増したことがランクインの要因に挙げられます。 人気の観光スポットは弥彦神社、佐渡などの新潟市以外が人気になっていますが、新潟県はスキーリゾートをフックとして動画によるプロモーションを行うなど、インバウンド誘致に力を入れており、その結果が出ているのではないでしょうか。
第5位 山形県 前年同期比+130.9%
第5位には、福島県、岩手県に続いて東北地方から山形県が前年同期比130.9%で入りました。国別でいうとタイ、シンガポールからの観光客が増加しているほか、台湾からの観光客も多く山形県を訪れています。 山形県は2020年までにインバウンド数30万人という目標を掲げており、羽黒山五重塔、鶴岡市立加茂水族館、蔵王温泉大露天風呂、山形城跡 霞城公園など県内の観光スポットへの誘致を目標としたプロモーションに力を入れています。
まとめ
今回のランキングは伸び率を軸にしたものなので、前年の数字が小さいとランクインしやすいという部分はありますが、国際線の就航のような物理的な要因やしっかりとしたプロモーションが行われた結果として訪日観光客が増加していることがわかります。 そのような視点で見ると今回ランクインした都道府県以外のほとんどに伸びしろがあると考えられますが、ポイントはターゲットを絞った適切なプロモーションです。 地元の観光資源とアクセス条件などからターゲットを絞り、特化した宣伝を行うことがインバウンド誘致に繋がります。