2019年はラグビーワールドカップ、来年は東京オリンピック・パラリンピックを控え、インバウンド数4000万人という目標が現実的に見えてきた昨今ですが、多くの課題があることを忘れてはいけません。
中でも重要度が高く、かつ対策も進んでいる分野が多言語対応です。
今回は駐車場の多言語対応の必要性についてみていきましょう
増加を続ける外国人のレンタカー利用
インバウンド数と外国人のレンタカー利用の関係についてみてみましょう。
国土交通省のデータで2011年と2015年を比較してみると、インバウンド数で3倍以上、外国人のレンタカー利用者数で約4倍の増加となっています。 2018年のインバウンド数は3000万人の大台を超え、さらに増加していることを考慮すると外国人レンタカー利用者数も増加が見込まれています。
インバウンドのレンタカー利用、背景には?
レンタカーを利用するインバウンドが増加している理由として、団体ツアー旅行から個人旅行への意向、訪日リピーターの増加などがあると言われています。 かつては訪日旅行と言えばゴールデンルートでしたが、訪問先が地方へと多様化した結果、移動手段も多様性が求められるようになりました。 そこで北海道や沖縄を中心としてレンタカーを利用するインバウンドが増加しているというわけです。
二次交通の充実にレンタカーが期待を集める
インバウンドの地方送客の課題として二次交通の問題が挙げられることがありますが、その解決策の一つとしてレンタカーが期待されています。
2018年1月には全国レンタカー協会が「訪日外国人向けサービス向上アクションプラン」を策定、インバウンドにレンタカーという移動手段を提供することで地方都市へ送客する上で二次交通が重要だとして、インバウンドによるレンタカー利用時の利便性向上を目指しています。 具体的な施策の一部として下記が挙げられています。
・「外国人が運転しています」ステッカーの作成
・交通ルールの周知
・ドライブ支援アプリによる情報提供
・外国人向けドライブマップの作成促進
・空港等での利用環境の向上
日本は左側通行ですが、世界的には右側通行が主流のため、日本で車を運転する際には日本の交通ルールを理解してもらう必要があり、安全かつ円滑に目的地にたどり着くための対策が進められています。 その他、利用者が増加すると事故の増加も懸念されますが、保健業界での取組みについて過去記事(【これからは加入が当たり前に】外国人向けの保険加入率が増加)で紹介しています。
駐車場の多言語対応は必須
このようにインバウンドによるレンタカー利用を想定して対策が進められていますが、重要度が高い割に対策が遅れているのが駐車場の多言語対応です。 以前過去記事(【レンタカー】外国人にキャンピングカーが人気!?)で紹介した通り、インバウンドによるキャンピングカーの利用が増加していますし、2020年の東京オリンピック開催期間に懸念される都市部での宿泊施設不足の受け皿としてレンタカーによる車中泊が挙げられており、おのずとインバウンドによる駐車場利用が増加することになります。 日本のコインパーキングの利用方法は場合によっては日本人にとってもわかりにくいことがありますが、インバウンドにとっては料金体系や駐車方法、支払い方法など非常にわかりにくいことが予想できます。 利用方法や料金についての多言語対応はもちろん、空いている駐車場をドライバーに多言語で配信する仕組みなど、地方はもちろん都心の商業施設の駐車場でも対策が必要になりそうです。
まとめ
インバウンドによるレンタカー利用、というとどうしても運転を中心に考えがちですが、稼働車両数が増加すれば駐車機会も増加します。 利用案内の多言語化は必須と考え、すぐにでも対策を取っていくべき分野といえるでしょう。