9月20日の開催がせまる世界的スポーツ大会・ラグビーワールドカップ2019ですが、試合会場となる全国12都市で6週間に渡って熱い戦いが繰り広げられます。
海外からのチケット購入も好調と言われていましたが、ラグビーワールドカップのインバウンド需要へ影響を直前チェックしてみましょう。
海外からの来場者予想は60万人に上方修正
ラグビーワールドカップについては過去にも取り上げていますが、2018年1月からスタートした合計180万枚のチケットが2019年1月時点で120万枚近くが販売済となり、チケット販売が好調な要因として海外からのチケット購入があると言われていました。 前回大会では海外からの来場者が40万人だったことから同じく40万人の海外からの来場者数を見込んでいたところ、チケット購入が好調という背景から予想を60万人に上方修正しました。 このようにラグビー人気も高い国を中心としてプレセールスは成功したと言ってもよさそうです。
開催期間は6週間!経済効果に期待
9月から全国12会場(東京都、札幌市、釜石市、熊谷市、横浜市、袋井市、豊田市、東大阪市、神戸市、福岡市、熊本市、大分市)で実施されるラグビーワールドカップですが、試合数は全48試合、最大180万人の来場者数が見込まれます。 話題性としては2020年の東京オリンピックの方が高いという印象ですが、ラグビーワールドカップは開催期間が6週間と東京オリンピックの約2週間よりも長いことから、試合を観戦するために訪日した外国人観光客が試合会場周辺を周遊することが考えられ、経済効果が期待されています。
開催地12都市の宿泊需要は、2019年上半期から好調に推移
Expedia Groupの調べによると9月以降に日本で開催される国際的スポーツ大会開催都市の海外からの宿泊需要は前年同期と比較して30%増と、ラグビーワールドカップの人気を裏付ける結果が出ています。 需要増に貢献していると思われるのがラグビー強豪国であるオーストラリア、フランス、イギリス、アイルランドなどから長距離国際線を利用して訪日するいわゆるロングホール旅行者です。 ロングホール旅行者は早い段階で旅行を計画するためか、予約時期はアジア圏からの旅行者よりも1.5倍早く、宿泊費は5~10%増、宿泊日数も1日多いという結果になっています。 また、Expedia Groupのサイト上での開催地を対象とした宿泊検索ボリュームを調査すると、宿泊検索数の上位はアメリカ、イギリス、オーストラリアが占めており、これらの国は支出額についても最も多く、1日あたりの平均宿泊費は、アジア圏旅行者を10~20%上回っていることが分かっています。
まとめ
2015年に行われた前回大会では開催地・イングランドを海外から40万人が観戦に訪れ、経済効果は約3,332億円と言われています。 前回大会を超える経済効果を狙うためには過去記事でも指摘した通り、ラグビー観戦をメインに訪日したインバウンド需要を取りこぼさないためのおもてなしが必要です。 特に滞在期間が長くなることが予想されるロングホール旅行者のケアが重要になるとともに、今回の来日をきっかけとしてリピーター化してもらうためには宿泊費やサービス水準など、適正かつ納得できるレベルで提供する必要があります。 特に宿泊費用については宿泊施設の不足を背景に高騰すると言われていますが、観光立国化に向け長期的な視点に立つことが求められています。