インバウンドが国内を移動する際の主な交通機関として挙げられるのが鉄道ですが、お得に鉄道を利用することができるのが一定期間が乗り放題となる鉄道パスです。
実際のところインバウンドは鉄道パスを利用しているのか、という点について見ていくことにします。
オンラインメディア、FUN!JAPAN読者へのアンケートを参照
今回参照したのはインバウンド向けの情報発信オンラインメディア、FUN!JAPANが読者向けに行ったアンケート調査で、2019年10月4日~11月6日までの間に得られた2,059の回答を元にしています。 また、アンケートの対象国は台湾、香港、タイ、マレーシア、インドネシア、ベトナム、インドの7カ国・地域となっています。
鉄道パスの知名度は?
鉄道パス、と一口にいっても国内各社がそれぞれに鉄道パスを提供しています。そこで国内に存在している全てのパスを選択肢とし、複数選択可で知っているかどうか、使ったことがあるかについての回答を見てみます。 最も知名度が高く、使用したことがあるという回答を集めたのが「JAPAN RAIL PASS」で、JRグループ6社が共同で提供しているため、日本の様々な場所に行きたい、というニーズをカバーしている商品です。 その他に知名度、使用体験ともに高かったのが東京都内の地下鉄が乗り放題となる「Tokyo Metro 1-Day Open Tickets」、同様に大阪では必須とも言える「Osaka Amazing Pass」が挙げられました。
鉄道パスのリピート購入意欲は高い
さらに鉄道パスを過去に利用したことがあるユーザーへ今後も利用したいかどうかを質問したところ、ほとんどの商品についてリピートしたいという回答が80%を超えています。 しかし「Setouchi Area Pass」や「沖縄路線バス周遊パス」などの商品は国によって違いますがリピートしたい率が低めとなりました。
購入するかどうかはコストが重要
鉄道パスを購入したことがある層に限定して鉄道パスを購入する際に重要視することを聞いたところ、旅行の総額が安くなるという回答が全ての国で最も多くなりました。 これは予想通りですが、2番目に多い回答を集めたのが購入前に鉄道パスについての詳細な情報がわかること、というものでした。 鉄道パスは利用できる路線等が複雑な場合もある他、そもそも鉄道パスという商品の存在が知られていないということも考えられます。 しっかりと商品の魅力や使い方などを周知する必要があるということがこの回答から伺えますね。 また、鉄道パスを購入する前に購入した場合に掛かる費用と購入しなかった場合にかかる費用を計算し、比較を行う人が多数を占めていることから、商品のプロモーションにはこのような費用比較シミュレーションなどが有効だと考えられます。
まとめ
その他、鉄道パスに関する情報をどのようにして知ったか、という質問に対しては日本の情報発信サイトや旅行関連ブログという回答が多く見受けられ、プロモーションの内容と併せて媒体についても適当なものを選ぶ必要がありそうだということが分かります。 今回は鉄道パスについての話題でしたが、同様にインバウンド向けに用意されているサービスだけど届いていない、あまり認知されていないというものが他にもありそうですね。