2018年インバウンド消費の内訳を見ると34.7 %になる1兆5,654億円が買い物代になっています。
インバウンドの消費傾向がモノからコトへと変化している、と言われていますが、まだまだ買い物による消費のインパクトは無視できません。
今回はアジア圏を対象として自国での日本の商品の購入行動を確認し、インバウンドが帰国した後にも商品を買ってもらうためのアイディアを考えてみます。
日本好きに聞いた自国ECサイトでのショッピング事情
日本好きが集まるアジア最大規模のコミュニティサイト・FUN!JAPANはアジア6カ国の会員を対象としたショッピング事情についてのアンケート調査を行いました。 対象となった国・地域は台湾、香港、タイ、マレーシア、インドネシア、ベトナムの6か国、調査の時期は2018年9月から2019年1月まで、サンプル数は6714となったこの調査、結果は以下のようになります。
日本の商品を自国ECサイト経由で購入した経験が多い国は?
まず、日本の商品を1度でも自国のECサイトで購入したことが人が多い国は下記のようになっています。
1位 台湾 79%
2位 ベトナム 69%
3位 マレーシア 58%
4位 インドネシア 56%
5位 香港 54%
6位 タイ 43%
台湾が79%と大きな数字を示していますが、6位のタイでも43%と、半数近くが自国のECサイトで日本の商品を購入したことがあると回答しています。
日本の商品を購入したい人が多いのはベトナム
日本の商品を購入したいかどうか、という質問に関しては下記のような回答が得られています。 是非買いたい、という回答が59.4%を示したベトナムは買いたくない、それほど買いたくないという回答が0%となっており、ほとんどの人が日本の商品への購買意欲を示しています。
是非買いたい
1位 ベトナム 59.4%
2位 インドネシア 29.0%
3位 タイ 22.5%
4位 台湾 16.0%
5位 香港 15.3%
6位 マレーシア 12.7%
気に入った商品ならば買いたい
1位 台湾 53.8%
2位 マレーシア 52.1%
3位 タイ 45.4%
4位 インドネシア 45.3%
5位 香港 37.2%
6位 ベトナム 34%
価格が安価であれば買いたい
1位 香港 39.0%
2位 マレーシア 31.9%
3位 インドネシア 29.3%
4位 台湾 23.8%
5位 タイ 23.2%
6位 ベトナム 6.7%
それほど買いたくない+買いたくない
5位 タイ 9%
1位 香港 8.4%
4位 台湾 6.5%
3位 インドネシア 6.4%
2位 マレーシア 3.3%
6位 ベトナム 0%
そのほかの国も「買いたくない」「それほど買いたくない」と答えた人はマレーシアが3%、最も多いタイでも9%なので、日本の商品を買いたくないと考える人はかなり少ないと言える。
日本の商品を購入するのはどのサイトから?
日本の商品を購入する場合に利用しているECサイトは国や地域によって傾向が異なります。 タイ、ベトナム、マレーシアは東南アジアで最大級の規模を誇るECサイト、Lazadaを利用しているという回答が多くなりました。 インドネシアで1位となったShoppeは急成長中のECサイトです。インドネシア以外にベトナム、台湾で3位となっており、今後の成長が見込まれるサイトです。 香港と台湾ではRakuten経由で日本の商品を購入しているという回答が最も多く得られました。Rakutenはタイで2位、マレーシアで3位、インドネシアで4位と存在感を発揮しています。
アジア各国は日本の商品に関心が高い
調査の結果として、対象となった6か国では日本の商品に対して高い関心が寄せられていることがわかりました。背景には訪日旅行で購入した商品を帰国後も利用するためにECサイトで購入する、といった消費行動があると思われます。 このような訪日をきっかけとした継続的な購買を促す仕組みを意図して作り出すことができれば、企業にとっては理想的な販売チャネルを確立することができそうです。
まとめ
今回のアンケート調査はサンプルが日本好き、ということがあるため、好意的な回答が多いという点は注意が必要です。 また、どのECサイトから購入しているか、という点は地域によってバラつきがあるため、ターゲットとなる国や地域によってサイトを使い分ける必要があるでしょう。