海外に遊びに行って入ったお店のメニューに書いてある日本語がおかしくて笑ってしまった、という話やパンフレットや商品の日本語があきらかに間違っている、というのは良くあることですが、笑ってばかりもいられません。
急増するインバウンド対応への課題として多言語対応が挙げられていますが、自動翻訳などを利用した結果、案内板などに誤訳が見受けられるケースが増えています。
訪日観光客に対して「出ていけ」?
訪日する外国人観光客の日本に対するイメージの一つに親切な国民性がありますが、中国ほかアジアからのインバウンドが多く訪れている大阪市のビルに「你退出(あなたが出て行け)」と掲げられた案内版があるとして中国のSNSで話題となり、情報が拡散されました。 案内板が設置されていたのは40階建ての梅田スカイビルで、屋上から大阪の市街を一望することができる「空中庭園展望台」からの帰り道。「お帰り口」のつもりで掲げた案内版は「あなたが出ていけ」という語訳になっており、中国SNSでは「中国語を尊重していない」などの厳しい意見が寄せられたため、既に撤去されています。 誤訳の原因としてスタッフが翻訳ソフトを使用して案内板を作成していたことがわかっています。
ウェブサイトにも誤訳が?
訪日旅行を検討している外国人に情報発信するためにウェブサイトや各種SNS等を利用するケースが多く見受けられますが、翻訳ソフト等を使用して多言語対応した結果、誤訳が見つかり、外国語対応のページを閉鎖したのは大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)です。 大阪メトロでは18年9月に自動翻訳ソフトを導入、公式サイトを英語、中国語、韓国語、タイ語に翻訳して閲覧可能にしましたが、路線名や駅名などに誤訳が見つかったものです。 地名や固有名詞などは日本人が見ても正しく読めない、ということもよくあります。翻訳ソフトやサービスの精度も上がってきているとはいえ、頼り切ってしまうとこのような結果を招く可能性があります。
通訳・翻訳会社が指摘する翻訳のあるべき姿は?
アドリンクはインバウンドに関して総合的なサポートを行っていますが、通訳・翻訳に関しても自動翻訳に頼らずに年間で150万字以上の翻訳を行っています。 自動翻訳といえば最も利用されていると思われるGoogle翻訳について、アドリンクでは過去に検証(①、②)を行っていますが、やはり翻訳ソフトやサービスだけではどうしても誤訳が出てしまう、というのが結論です。 また、翻訳と一口に言っても分野によっては全く違うボキャブラリーが要求されますので、ネイティブスピーカーが翻訳を行っている、ネイティブチェックを行っているといってもそれが適切な翻訳になっているかどうかは別の問題になってきます。 アドリンクではわかりにくい翻訳会社の選び方についても過去に記事にしていますので、これから多言語対応のために翻訳が必要だ、という人は確認してみてください。
まとめ
インバウンド対応を急いだ結果、誤訳や適切ではない表現をしてしまっているケースは多数あると思われますが、日本を訪れた外国人観光客の失笑を買わないためにもしっかりとして品質で翻訳することが求められています。 アドリンクでは日本人を含む様々な国出身の40名を超える通訳・翻訳スタッフによる多言語Webからパンフレットやメニュー翻訳まで幅広い翻訳を取り扱っていますので、複数言語への対応などもワンストップで提供が可能です。 翻訳が必要だけどどうやって誰に頼めばいいのかわからない、という人はまずはアドリンクに相談してみてください。